💡Lightingについて~その2~

どうも,あらーとです

新しく「CGライティングの最強の教科書」を購入しましたので,その習作と備忘録的に今回もLightingについて記事を書いていきます!

この会場の記録です.
https://cluster.mu/w/164f5078-bb13-46b2-acb7-f9fdab546e90

光源の配置について

今回は朝・昼・夕の3シーンについてlightingを行いました.
よく観察すると,それぞれの時間帯によってできる影は異なっています.
どのように表現を仕分けて行けばよいのでしょうか?
それでは解説していきます.

※今回出てくる用語等はコチラで一度解説をしているのでわからなければ御覧ください.
https://scrapbox.io/hitech/%F0%9F%92%A1_Lighting_%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

case1:朝

まずライティングを決定するために,光を当てるものについてできるだけ細かく条件を書き出していきます.

場所:東側に窓がある部屋,1LDKを想定
時間:朝方,日が昇る少し前,5月の午前5時くらい
照明の特性:3点照明,メインは青白い光,床の反射を考慮して紫っぽい色で全体を照らす

このように書き出せたならあとはそれをUnityで再現していきます!

まず場所を考慮して,キーライトを配置していきましょう.
方位や向きはモデルに合ったライティングができるように選びましょう.今回は向かって左手が東としました.選んだ理由は,このモデルにおいては左手にカーテンがあるため朝の柔らかい雰囲気を出すのに適していると判断したためです.

キーライトが決定したら,フィルライトの位置を決めていきます.
今回は3点照明を行いたかったため,右手手前に浅めの角度で少し上を向けて配置しました.上を向けた理由は「照明の特性」に書いたように床の反射を考慮しているためです.

続いて光の強さを決めていきましょう.今回はキーライトとフィルライトのIntensity(強さ)の比を約3:1にしています.朝方という設定なので比較的弱めの値を入れています.
ここで一度Light Bake を行い,この段階で光量を一度確認しておきます.様子を見ながら全体のシルエットが引き立つようにリムライトとしてpoint lightを設置します.

あとはPost Processing Stack v.2 (以下PPS)を追加し,見た目を整えていきましょう‼
時間帯を考えると,すこし靄がかったような青白い空間にしたいので Color Grading の値を調節していきましょう.

これで大体のルックは整うはずです!
これでcase1:朝の解説を終わります.

斜め前方からの視点
俯瞰視点

case2:昼

それでは朝と同じ手順で空間について思考を重ねていきましょう!

場所:東側に窓がある部屋,1LDKを想定
時間:10時前後の人が活動し始める時間帯,太陽は完全に登り切る前,初夏
照明の特性:3点照明,メインは白い光,壁からの反射を考慮.

同様に場所を考慮して,キーライトを配置していきましょう.
昼においては太陽の位置は高くなっているため,先ほどのケースよりもキーライトの角度は鋭くなっています.また光源の色は青空から送られてくるとイメージして白色に近い青を採用しています.

次にフィルライトを決めていきます.
朝に比べ,昼間の光は強いので壁からの反射が多くなると想像できます.そのためこのケースでは壁からの反射をフィルライトとし,壁材の色と波長の吸収を考慮しオフホワイトで設定します.

ここでリムライトとしてDirectional light を用います.Directional lightを使用する理由としてはhard shadow を床に投影したいからです.昼間の日光は朝方に比べ指向性が強く影の形もくっきりします.

最後にPPSを用いて見た目を調節していきます.PPSのPost exposureの値を変更して少し露出をあげます.こうすることで日差しの強さを表現できる上に明るさも求めるものに近づけられます.

斜め前方からの視点
俯瞰視点

case3:夕方

こちらも同様に空間の条件を考えていきます!

場所:東側に窓がある部屋,1LDKを想定
時間:家族が帰宅し始める頃,夕陽が沈むあたり
照明の特性:2点照明,メインは夕陽,壁からの反射を考慮.

同様に場所を考慮して,キーライトを配置していきましょう.
夕方では太陽の位置は低くなっており,太陽の位置は西にあると考えられます.今回のキーライトは夕陽が光源になっているので暖色で設定します.また夕陽が沈むあたりの時間帯を想定しているため差し込む光の角度は水平に近くなると考えられます.

また,フィルライトを決めていきます.
夕陽は暖色系のため光の波長が長くなっています.こちらからの光は窓側に抜けていくと考えられるため,部屋空間全体からの分散光としての青色が放射されると予想されます.このフィルライトはすこし上に向けておきましょう.

今回はリムライトなしの2点照明でライティングを行うのでIntensityの調節を前述の2ケースよりもしっかり行ってください.同様にPPSを用いて見た目を調節してきます.
White Balance の Temperatureをいじって色調を温かみのあるものに変えていきます.

斜め前方からの視点
俯瞰視点

終わりに

今回は時間帯や場所など空間の条件を考えながらライトを配置していきました.
この手順をご覧いただいたように,単純にライトを配置するだけでは求めるルックにはなりません.入射や反射する光のストーリーを想像することで,より説得力のあるルックを制作することができるようになります.

この手法は部屋のライティングのみならず,いろいろな照明のセッティングにも流用できるので是非試してみてください!

ここまで読んでいただきありがとうございました!